2026/11/06 15:20
仏壇のろうそくを電気に替えたいけれど、電池式やLED、コンセント式と種類が多くて迷ってしまう。通販の一覧を見比べても、違いが値段と見た目くらいしか見えてこないですよね。
この記事では仏壇の電気ろうそくを4つの方式に分けて、特徴と、毎日の灯し方から選ぶ5つの条件をまとめました。つけっぱなしでいいか、お線香の火や切れた電球はどうするかといった、買ったあとの疑問にも答えています。
私は、小さな仏具メーカーで、親の代から50年、仏壇に飾る電気ろうそくをつくっている者です。つくる側から見ても、どの方式が上ということはありません。違うのは、どんな仏壇に、どのくらいの時間灯したいかです。
本物の火から電気に替えることを、後ろめたく感じる方もいます。灯りは仏さまへのお供えのひとつで、火か電気かで意味は変わらないと私は考えています。自分の家で続けやすい灯りを選んでください。
仏壇の電気ろうそくは「灯し方」で方式を選ぶ
仏壇の電気ろうそくは、電源と光り方の組み合わせで、電池式LED・充電式LED・コンセント式LED・コンセント式の白熱電球の4つに分かれます。毎日どのくらいの時間灯すか、仏壇のそばにコンセントがあるか。この2つが決まれば、合う方式はほぼ絞れます。

4つの方式の早見表
| 方式 | 電源 | 光の感じ | 日々の手間 | 合う使い方 |
|---|---|---|---|---|
| 電池式LED | 乾電池 | 白っぽい色から電球色まで。ゆらぎ付きもある | 電池の交換 | 手を合わせる数分だけ灯す/コンセントが遠い |
| 充電式LED | 本体を充電する | 電池式とほぼ同じ | こまめな充電 | 電池を買い置きしたくない |
| コンセント式LED | コンセント | 明るさが安定していて、熱くなりにくい | ほとんどない | 朝から夕方まで長く灯す |
| コンセント式の白熱電球(ろうそく球) | コンセント | 炎に近い、黄みのあるあたたかい色 | 電球が切れたら交換 | 長く灯す/本物の火に近い色がほしい |
火が電気になっても、灯りの意味は同じ
仏教では、灯りは仏さまの智慧(ちえ)の光とされ、お線香・お花・お水・ご飯と並ぶお供えのひとつに数えられます。火が電気に替わっても、手を合わせる前に灯りをともす意味は変わりません。灯す意味や置き場所の決まりは、仏壇のろうそくは何のため?の記事でお話ししています。
電気のろうそくに替えると、お参りのたびにマッチを探す手間がなくなります。ろうが垂れて仏壇の板を汚すこともありません。火の消し忘れが気になって、お参りを短く切り上げていた方も、灯したまま落ち着いて手を合わせられます。
電気ろうそく4つの方式の違い
同じ電気ろうそくでも、方式によって置ける場所と、日々の手間が変わります。
電池式LEDは置き場所を選ばない
電池式のLEDろうそくは、乾電池を入れるだけで灯ります。コードがないので、コンセントから離れた仏間や、棚の上の小さな仏壇にもそのまま置けます。
手間になるのは電池の交換です。毎日長い時間灯すと交換の回数が増えるので、朝晩の数分だけつける家に向いています。決まった時間がたつと消えるタイマー付きの品もあり、消し忘れが気になる方は、買う前にそこも見ておきましょう。
使う電池も、単3形・単4形・ボタン電池と品によって違います。家にいつも買い置きしている電池と同じ形の品を選ぶと、交換のときに切らしていた、ということが起きにくくなります。

充電式は電池を買い足さずに済む
充電式のLEDろうそくは、本体にためた電気で灯ります。電池を買い置きしなくてよいのが、電池式との違いです。
充電を忘れると、お参りのときに灯りがつきません。充電台に戻すだけで充電できる品と、ケーブルを差して充電する品があるので、充電の仕方は買う前に確かめておくと迷いません。
コンセント式LEDは長く灯しても楽
コンセント式のLEDろうそくは、差し込んでおけば電池も充電も要りません。LEDは白熱電球より熱くなりにくく、朝から夕方まで灯しておく家でも扱いやすい方式です。
気をつけたいのは、仏壇の近くにコンセントがあるかどうかです。コードの長さは品ごとに違うので、仏壇からコンセントまでの距離と見比べてください。
白熱のろうそく球は炎に近い色
昔から仏壇で使われてきた電気ろうそくは、先端に小さな白熱電球の「ろうそく球」をつけたコンセント式です。白熱の光は少し黄みがかったあたたかい色で、本物の炎を見慣れた方にもなじみやすい灯りです。
白熱電球は、灯しているあいだ熱を持ちます。灯っている球には触らないでください。電球は消耗品なので、切れたら同じ口金のろうそく球に替えます。口金が合えば、市販のLED球に替えて使える品もあります。
仏壇の電気ろうそくの選び方 5つの条件
方式の違いが分かったら、自分の家の仏壇に当てはめて絞りこみます。上から順に答えていけば、1つに決まります。
毎日長く灯すならコンセント式
朝のお参りでつけて、夕方まで灯しておく。そんな使い方なら、電池や充電の残りを気にしなくてよいコンセント式が合います。電池式で毎日何時間も灯すと、電池の買い置きを切らさないように気を配ることになります。
朝晩の数分だけ手を合わせる家なら、電池式でも交換はそれほど頻繁になりません。自分の家では1日に何分灯すのか、一度思い浮かべてみてください。
コンセントが仏壇まで届くか
コンセント式にしたいときは、仏壇からいちばん近いコンセントまでの長さを、買う前にメジャーで測っておきます。電気ろうそくを置く位置から、コードを仏壇の裏や横に回す道のりも足して考えてください。
延長コードを畳の上に這わせると、足を引っかけやすくなります。コンセントまでどうしても届かない仏壇なら、電池式か充電式を選ぶほうがすっきり収まります。
電池交換や充電の手間を許せるか
電池の交換や充電は、ひとつひとつは小さな手間です。それでも、高齢の親が一人で仏壇を守っている家では、電池の向きを確かめて入れ替えるだけでも負担になることがあります。
実家の親に贈るなら、差し込んだまま使えるコンセント式のほうが、親の手をわずらわせません。自分で毎日世話ができる方は、電池式の身軽さを選んでもかまいません。
光の色とゆらぎで選ぶ
LEDの光は、品によって白っぽいものから電球色まで幅があります。金色の仏具が多い仏壇なら、黄みのあるあたたかい色のほうが落ち着いて見えます。
炎のように明るさが揺れるゆらぎ付きのLEDろうそくも売られています。本物の火に近い雰囲気がほしい方向きです。揺れが目に入って落ち着かない方は、揺れのない白熱のろうそく球を選ぶと、色だけは炎に近づきます。
夜にお参りする家なら、明かりを落とした部屋で灯したときの明るさも気にしてみてください。まぶしすぎない灯りのほうが、ご本尊やお位牌がやわらかく浮かび上がって見えます。
2本で一対か1本か、高さも合わせる
ふだんのお参りでは、ろうそく・お線香・お花を1つずつ並べる「三具足(みつぐそく)」にして、ろうそくは仏壇に向かって右に1本置きます。お盆や法事のときは、ろうそくとお花を左右一対にする「五具足(ごぐそく)」にして、2本並べる家もあります。並べ方は宗派やお寺によって違うので、迷ったら菩提寺に聞いてみてください。
大きな仏壇で2本並べて灯したい方は、はじめから一対になった品を選ぶと、高さも色もそろいます。上置きの小さな仏壇なら、1本でも手元まで灯りが届きます。高さは、扉を閉めるときに当たらないか、お位牌の前をふさがないかで見てください。小さな仏壇での並べ方は、ミニ仏壇の配置の記事にまとめました。神棚に灯すときの並べ方は、神棚のろうそくの記事で書いています。
家の仏壇別、合う電気ろうそくの方式
5つの条件を、よくある家の形に当てはめてみます。
実家の親が毎日灯す仏壇
一人暮らしの親が朝に灯して、夕方まで仏壇の灯りをつけておく。この使い方なら、コンセント式がいちばん手間をかけません。電池の買い置きや充電を親に頼まずに済み、離れて暮らす子どもが電池切れを心配することもなくなります。
白熱のろうそく球を選んだときは、出かける前と寝る前に電源を切る習慣を、親と一緒に決めておいてください。抜き差しが大変なら、スイッチ付きの電源タップを仏壇の横に置くと、立ったまま消せます。
朝晩だけ手を合わせる共働きの家
出勤前と帰宅後に1分ずつ手を合わせる家なら、灯す時間は1日数分です。電池式でも交換の回数は少なく、コードのない身軽さが生きます。消し忘れたまま家を出るのが心配なら、タイマー付きの電池式を選ぶと、つけたことを忘れても自然に消えます。
マンションの上置き仏壇
棚やチェストの上に置く小さな仏壇は、近くにコンセントがないことも珍しくありません。コードが届くなら1本立てのコンセント式、届かないなら電池式か充電式の1本で、灯りは手元まで十分に届きます。扉のある仏壇は、閉めたときにろうそくの先が当たらない高さかも確かめておきましょう。
お盆と法事に2本並べたい家
ふだんは1本、お盆や法事には左右に2本と使い分ける家なら、一対になった品を1つ持っておくと便利です。並べたときに、高さも色もそろいます。2本がコードでつながった品なら、使うコンセントは1口だけ。電池式で2本そろえる場合は、2本ぶんの電池を同じ時期に替えておくと、片方だけ暗くなることを防げます。
仏壇の電気ろうそくのよくある質問
つけっぱなしにしても大丈夫?
電気ろうそくは火を使わないので、燃え尽きることも、倒れて火が移ることもありません。とはいえ電気の品なので、長く灯すときは取扱説明書に書かれた使い方を守ってください。白熱のろうそく球は熱くなるので、出かけるときや寝る前には電源を切っておくと安心です。
お線香の火はどうつける?
電気ろうそくから、お線香に火を移すことはできません。お線香にはマッチかライターで火をつけます。先の長い仏壇用のライターを使えば、手を仏壇の奥まで入れずに済みます。
お線香の火も使いたくない方には、先が赤く光る電子線香もあります。灯りもお線香も電気にすれば、仏壇のまわりで火を使わずにお参りできます。

電球が切れたらどうする?
コンセント式の電気ろうそくは、先端の電球だけを替えて使い続けられます。替えの電球は、口金の大きさ(E12など)と電圧・ワット数を、もとの電球と合わせて選んでください。小さなろうそく球は、仏具店や通販で手に入ります。
100均のLEDろうそくでもいい?
100円ショップでも、電池式のLEDキャンドルが手に入ります。まず試しに使ってみたい方や、手を合わせる数分だけ灯す方なら、それで用が足りるという考え方もあります。
仏壇に置くなら、高さと色が仏壇に合うかを見てください。インテリア用のキャンドルは太さや高さが仏壇用と違うので、仏壇の中に置くと見え方が変わります。毎日長く灯す方は、電池代まで含めて比べてみてください。
コードを目立たせずに置くには?
仏壇の背板に、配線用の小さな穴があいているものもあります。穴があれば、コードを仏壇の裏へ通してからコンセントへ回すと、正面からはほとんど見えません。穴がない仏壇なら、側板に沿わせてコードを下ろし、仏壇の脚のうしろを通すと目立ちにくくなります。
電気代は気になる?
電気ろうそくが使う電気は、電球のワット数と灯す時間で決まります。5Wのろうそく球を1日2時間灯すと、1日に使う電気は10Whです。LED球に替えれば、同じ時間灯しても使う電気はさらに少なくなります。
LED球に替えるときの注意は?
白熱のろうそく球からLED球に替えるときは、口金の大きさと電圧が合うものを選びます。LED球は形や長さが品によって違うので、取り付けたあとに扉を閉めて、先が当たらないかを一度確かめてください。光の色も白っぽいものと電球色があるので、もとの灯りに近づけたい方は電球色を選ぶと違和感が少なくなります。
電気ろうそくは仏壇のどこに置く?
本物のろうそくと同じで、1本なら仏壇に向かって右、2本なら左右に置きます。お線香立ての横に置くときは、お線香の灰や火が電球やコードにかからない距離をとってください。置き場所の決まりは、仏壇のろうそくの記事でも詳しくお話ししています。
古い電気ろうそくはどう処分する?
電気ろうそくは小さな電気の品なので、住んでいる市区町村の分別に従って出します。電池式なら、電池を抜いてから出してください。長く手を合わせてきた灯りなので、処分する前にもう一度だけ灯して手を合わせる方もいます。
法事のときは本物のろうそくにする?
お坊さんにお経をあげてもらう日だけは、本物のろうそくを灯す家もあります。電気ろうそくのままでよいかはお寺によって考えが違うので、法事の前に菩提寺へひと言聞いておくと、当日あわてずに済みます。
毎日灯す仏壇に、コンセント式の「ガネーシャランプ」
私たちがつくっている電気ろうそくのひとつがガネーシャランプです。コンセント式で、先端に白熱のろうそく球をつけています。取っ手には、障害を取りのぞき道をひらくとされる象の鼻をあしらいました。

2本立ては左右一対がコードでつながる
仏壇に左右一対で灯すなら、2本立て 小 茶(4,260円)が中心です。2本のあいだは約34cmのコードでつながっていて、コンセントは1口で足ります。電源までのコードは約145cmあるので、仏壇の裏を回してコンセントまで届くか、先に測っておいてください。

1本の高さは約17cm、幅は約5cmです。上置きの小さな仏壇に置くときは、扉の内側の高さと見比べてみてください。1本だけ灯したい方には、1本立て 小 茶(3,300円)もあります。
白熱の灯りもLEDの灯りも選べる
付いているのは、E12口金・100V/110V用・5Wのろうそく球です。本物の炎のようにやさしく灯る白熱の灯りで、寿命は約2000時間が目安になります。1日2時間灯すなら、およそ1,000日もつ計算です。
LEDの光が好みなら、市販のLED球に替えて使えます。ろうそく球は灯っているあいだ熱くなるので、触らないようにして、お出かけの際は電源を切ってください。手元のスイッチはないので、コンセントの抜き差しか、スイッチ付きの電源タップでつけたり消したりします。
仏壇に合わせて4色から選ぶ
色は茶・金・黒・白の4色です。木目の仏壇には茶、金色の仏具が多い仏壇には金、家具調のモダンな仏壇には黒や白が合わせやすい色です。日本製で、ひとつずつ手作業で仕上げています。
受注生産のため、ご注文から発送まで10日ほどかかります。お盆や法事に合わせて新しくしたい方は、その日から逆算して早めにご注文ください。
毎日手を合わせる灯りは、続けやすいことがいちばん大切です。仏壇の大きさとコンセントの位置、灯す時間を思い浮かべて、自分の家に合う電気ろうそくを選んでください。